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逃げ足は遅いが [書を捨てよ世界に出よう・60年代バックパッカー編]

さて旅の続き。

パリを発って辿り着いたのはスペインのマドリッド。闘牛場に行った。

(ちょ、ちょっと待って。マドリッドね。しかも闘牛場ね。もう速攻で頭の中に「血と砂」の曲が流れた。大空さんプルミタスの何ともぎこちないムレタ捌きが可愛くて、マタドールには縁の無い人なんだろうなぁ~と思って観ていたら案の定、エル・アルコンになってしまったのを思い出した。)

閑話休題。で、どうでした闘牛?

客席にハンサムな人がいたので、その人ばかり見ていた。(あのさ、何しに行ったの?)

闘牛が残酷すぎてとても凝視できるような状況ではなかった。だから仕方なく客席を見ていただけ。(ありがちな言い訳だと思う。だいたいこの人はスウェーデンで美男美女の写真を撮りまくってきた経歴を持っている。今更何を言っても無駄だと思うのだが。)

スペインではバルセロナにも行った。屋台で食べた茹で海老が忘れらない。この時代の大和撫子にしてみれば殻を道に落としながら海老を頬張るというのは何とも贅沢に感じられたらしい。

さて、スペインを離れ次に向かったのはスイス。

ユースホステルに到着。同室のアメリカ人たちが大騒ぎをしていた。迷惑だなぁ・・・と思っていた、ら、怒られた。なぜに私が・・・?と言う間もなく、アメリカ人たちは上手く逃げてしまい、代わりに到着したばかりなのにいきなり罰としてトイレの掃除をさせられた。良くある話である。逃げ足の遅い奴が損をする。まあ仕方ないな。

ところでこの旅を親に許可してもらうには同行者が必要だったはずだが、一度も話が出てこない。なぜか。それはここまで別行動をしていたから。その同行者がここでようやく登場する。

同行者の提案でスイスで初めてヒッチハイクというものを経験した。車を止めたのは若い男。どう見ても怪しかった。同行者がスイスは治安が良いから問題ないと言っているが本当か。ちなみに同行者はグラマーだった。どう見てもカモにされやすい。

・・・やはりその勘は正しかった。山の中腹あたりまで来て突然車を止めた男はそのグラマーに言い寄ってきた。が、グラマーは速攻で車から逃げた。逃げ足の遅い奴が損をする。再び。

しかし戦った。車のナンバーは控えてあるから覚悟しとけと脅した。幸運にもその男はグラマーにしか興味を持っていなかったので諦めてすぐにその場を立ち去った。(この人は切れると怖い。今までも相手がヤ印の組の人であろうと、警察官であろうと、関係なくバトルしている。)

帰路も交通手段はヒッチハイクしかない。だが今回は老夫婦が乗る車をピンポイント攻撃、同乗させてもらってようやく山を下りた。ユースホステルに着いた頃にはお互いの仲は険悪になっていた。だから同行者が登場するのはこれが最初で最後。そう、ここからが本格的な一人旅の始まりである。


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