SSブログ

子供の仲間入り [書を捨てよ世界に出よう・60年代バックパッカー編]

さて前回は滞在先のウィーンに父親から候文の巻き手紙が届いたところまで書いた。そろそろ先に進めようと思う。

イタリアのボローニャが次の滞在先である。なんでも世界最古の大学があるらしい。(さすが教育学を勉強しただけのことはあるな、良い志だ。あれ?英米文学部出身のはずだが、母上・・・にゃるほど教員資格を取るために教育学を取ったらしい。)ボローニャは閑静で落ち着いた街。とても気に入った。が、滞在は次の街ペルージャのほうが長くなった。

ペルージャに一目ぼれした。お年寄りが優雅に着飾って朝食をとる風景がさまになるような街。理由はわからないが、とにかく少し長く滞在したいと現地で急遽ペンションを借りた。と言っても1週間ほどのことだ。ただ目的なく居てみたかった。ここで近所の子供たちに気に入られた。毎朝5~6人の子供たちがモーニングコールをしてくれる。窓の外から名前を呼ばれるのでそれで目覚めていた。

滞在中、その子供たちに誘われ近所のプールに行った。一人だけ大人用のプールで泳いでいた(というより泳げないので浸かっていた。)ら、いきなり無言でひょいと抱きかかえられボチャンと子供用のプールに落とされた。???そりゃあもうね、絶対にその子供たちの仲間だと思われていたに違いない。子供たちは9歳前後、と言ってもヨーロピアンな彼らは大きかった。背格好はその子たちとたいして変わりない。大和撫子ある意味屈辱的敗北感を味わう。(だいたいこの子供たちにどこまでカミングアウトしたんだ、母上よ。きっと皆仲間だと思っていたに違いない。年齢的な意味で。)

「サバをよむ」って教育者的にどうなんだ?と詰め寄ったら年齢のことを言うチャンスが無かったと返された。とにかくいたいけな子供たちと戯れることができた母上はある意味すべてにおいて彼らの仲間だったのかもしれない。良いではないか。国境も年齢も超えた付き合いなんて中々できることではない。一期一会。好奇心から始まった国際交流は良い思い出となった。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。