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異端児バックパッカーを目指す [書を捨てよ世界に出よう・60年代バックパッカー編]

職業軍人の父親と女医を志した母親の元に生まれた末っ子の母はとにかく異端児だったようだ。しっかり者の姉と兄と違い、自分の行く高校が初日からわからない、大学の入学式が終わって帰るお金も無ければ帰る方法もわからない、という超過保護な(バカすぎる・・・)状態にありながら、ある日突然バックパッカーをするなんて言いだした。

当時ベストセラーとなった小田実の“何でも見てやろう”という本に感化されたらしい。女一人でバックパッカーをするなんて言おうものなら、嫁の貰い手が無くなると言われた時代。日本国内でさえ心許ないのにまさかと誰もが思ったに違いない。

ところが母は本気だった。必要なのは資金。1ドルが365円の時代の話である。そこで大学を卒業後1年間必死に働いてお金を貯めた。次に必要なのが両親から許可を得る事。ところが一人旅はどうしても許してもらえない。一緒に旅をする人がいるなら仕方なく許すということだったので大学時代の知り合いを片っ端から当たり、同行者をなんとか見つけることが出来た。

日本で準備したのはパスポート、ユーレイルパス、そしてユースホステルの会員登録のみ。

さて旅は横浜から始まった。横浜の桟橋から貨物船のような船に乗り込んだ時、母親、姉、姪が見送りに来て紙テープを投げての出発となったそうだ。最初の目的地はソ連、現在のロシア。

安い船室は揺れに揺れ、初めての船酔いを経験する。

続く・・・


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