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蛾 [大空祐飛・大空ゆうひ]

初めて降りる駅から初めての劇場へ、

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なんだか文字の多い文字アピール型の劇場のようだ。実際開場を待つロビーにあったフライヤーも全て文字押しだし、トイレ案内なども同様であった。


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肝心の舞台だが、ヘッセ作品をすべて読んでいるわけではないが、直前まで「デミアン」を読んでいたので異端と道徳の間で揺れ動く思春期の青年の世界観がすんなり入ってきた。


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宣教師の親の影響もあるように思うが年老いてもその両端で迷いながら生きた人だったのだなぁ。麿さんのそこに居るだけで語る体が寂しさと孤独を、そして立ち行かない迷いを静かに表していた。


大空さんもすっ、とそこに居る、有ることができる人なので多くの語る言葉以上に存在感がある。そのさりげない居方が本当に上手い人だなぁと思う。そして今回のように「女」とはあっても、性別も超え人でもない何かであることが嵌る。


ヘッセが描いた登場人物たち=多くの言葉たちはアンサンブルがばらばらに語り、踊り、青年時代のヘッセが自らの手で処分しようと試みるがそう簡単にはいかない。


本人がいなくなっても作品は永遠に残るのだ。良くも悪くもそれがアーティストの定めだろう。


劇場周辺を少し散歩していたら立派な竹林のある公園があった。繁華街から少し外れた住宅街入り口付近でほっとするスポットだ。大空さんのおかげで普段は行かない劇場を知ることができるで嬉しい。


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娘曰く、Z世代に「デミアン」は人気なのだそうだ。息子も「少年の日の思い出」を読んで知っていた。


客席の年齢層が結構高いようだったが、もっと若い世代にも届いてほしい舞台だった。

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