まだ2.0あった

会社で指定された病院で健康診断をしてくるように言われて、

最寄り駅から会社を越えて30分ほど歩いて行ったら汗と雨でびしょ濡れになった。

朝一番で行くように言われていたが外で既に待っている人もいる。どうやらここはワクチン接種の指定場所でもあるらしい。

まだ接種券も届かない者から見ると羨ましいというか、打つ時はこんな感じでやるんだなぁというのを目の前で見ているのが不思議な感覚である。こちらは一人だけ健康診断人間なのでそんな流れ作業の邪魔になっているような気もしなくもなかったが、その浮いた感じもまた自分らしいなと思う。

今日から研修という看護士さんが先輩から一つ一つ使い方を教えてもらいながら対応してくれたが、血液採取の時だけ二人だったので世間話をしながら頑張ってねとエールを送ってみた。自分も研修中のようなものなので自分にも言っているようなものだ。

所謂流れ作業のようにやっていくのでこちらの目も見ないし話も一方通行のような先生だったが、検眼の時だけは面白がっているようだった。「目は？」と聞くので最近は老眼が・・・と言いかけたところで「眼鏡とかコンタクトはしている？」と言うのでNOと答える間もなくさっさと始める。兎に角スピードが速い。

最初はどこを見るのかすら指示してくれないので訳がわからなかったがノートPCを開いているのでどうやらそこにマークが出るようだ。要領がわかれば後は簡単である。左右をやって「じゃあこれも聞いちゃおう」と試すように出されたものを答えたところで「はい、両目2.0！」と大きな声で言われてしまった。

最近は近くの小さな文字が見えなくなってその不便さを実感しているが、それ以外はよく見えるのは相変わらずで、でも視力は落ちたはずと思っていたらまさかの2.0でちょっと嬉しかった。

病院を出る頃には少し小降りになっていた。衰えていない機能に自信をもらってそのまま仕事場に向かった。