二日目、其の一 [大きなリンゴの木の下で]
さて二日目、というより前日夜の到着なのでほぼ初日。
予定ではまず現代美術の館、所謂MOMAからのスタートとなるがその前にクルーズのチケットの引き換えに行かなければならない。
クルーズとは独立記念日の花火観賞用クルーズの事。実は今回の旅の日程が決まった直後に独立記念日が含まれている事に気付き何かイベントが無いか調べたところ花火が有名と知った次第。
子供たちにとってみれば大きな打ち上げ花火など遠い記憶の彼方の出来事だろうからこれは良い機会と思い取り急ぎクルーズの予約をしておいたのだ。
よって本日のメインイベントはこのクルーズになるのだが、その前にまずはMOMAへ。
地下鉄の1週間乗り降り自由カードを購入して地下鉄で向かう。そうか最早トークンではないのか・・・。しかし地下鉄も明るく綺麗になったものよ。ホームに独特の地下鉄臭と熱風が立ち込める感じは変わっていないが、車内にしても電光掲示板で行き先まで出る親切さ、しかもアナウンスまでクリアに聞こえてくるではないか。これなら迷える子羊も救われるというものである。
最寄駅に着くと子供たちが何か食べさせろ!と合唱。
ちょうど目の前に何処かで聞き覚えのあるベーカリーを見付けたので入ってみる。
カップケーキで有名な店のはず、と店内に入って気付く。
え、カップケーキ如きで・・・とまさかの値段に驚愕していると娘が一番高いのを注文する。流石。
店内で食べる場所は無かったので前もって調べておいた室内休憩スポットで朝食タイム。
これが娘のチョイス、“ベルベットなんとか”である。まあケーキみたいなもんですな。
かなり大きく食べ応えがある。
残る二人は普通のカップケーキだったがそれなりに美味であった。
ちなみに室内の休憩処から見える景色はこれ↓
外に出てみよう。
モザイクな国ではお馴染みのオブジェが置いてあるが、正面に回ってみると、
冬場はスケートリンクで有名なロックフェラーさんのビル前である事がわかる。
さてここまで来れば素通りはできないのが向かい側に建つ教会。
残念ながら改装中ではあったが、このセントパトリック大聖堂はスコット・フィッツジェラルドとゼルダが結婚式を挙げた教会である。
中も改装工事中ではあったが摩天楼のど真ん中に君臨するに相応しく威厳がある。成功を手に掴んだスコットが選ぶ場所としても相応しい気がする。
さてようやくMOMAへ辿り着く。
ここも以前とはだいぶ変わった。と思って調べたら増築された新館のようである。
期間限定企画を楽しみにしていたのだが、待ち時間が7時間半と聞いて断念する。
炎天下本気で待っている人たちが信じられん。
さっさと中に入ろう。
最初に並んで入った期間限定展示物で少しダメージを受けながらもサクサクと見て行く事にする。
昔ここに来た時は森村氏のセルフポートレイト展をやっていた記憶があるが、特に現代美術物はその場に居るだけでものすごいエネルギーを消費するので疲労感が半端無い。
すごい勢いで各作品が主張してくる。意味がわかるとかわからないとかそういった事は関係なくその作品の放出するエネルギーの残像が未だING系の力を持っている感じだ。
娘は画材アレルギーのようになっていて早々にここを出たいと申し出る。
唯一水を得た魚のようになっていたのがこの人。
流石は自称アーティストと言うだけあって満喫している様子。来た甲斐があったというもの。
これは横尾氏のポスター。タイトルが寺山っぽい気もするがゴージャスなコラボである。
しかし本物のアートを前に遊べるというのは贅沢である。
一方で訳がわからないと飽きて寝てしまうのもわかる。
一体何をもってアートと言うのか、子供たちの頭にクエスチョンマークが飛んだまま現代美術の館を後にする。
長いので今日はここまで。続く。
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