SSブログ

ぶらり車窓から [まほろば大和国]

車窓から山里的な景色が見たいという母上のリクエストにより、

自分の仕事場から少し先の辺りまで行く事にする。


やる気な人たちが去った後辺りの中途半端な時間に出て行くと電車も不便な時間帯になって思った以上に空いていた。電車が少しでも混んでいたら計画は中止すると言っていたが予定通り進む事にする。


電車に乗れればそのままリターンでも良いつもりだったが、様子を見ながら降りる駅を決める。更に先に行く人は居てもこの駅で降りる人は疎らであった。


以前は父上や母上の運転で来ることは何度もあったが電車で来ることはなかなか無いので新鮮だ。観光案内所で情報収集してから歩き出すと知っている食事処が見えてきて以前よく来ていた時を思い出す。


観光案内所はあっても地味な場所なので里山を歩く体でお散歩。


駅から少し歩くと河原に下りる。


IMG-5664.jpg



鳩たちがずっとついてくるので何も無いよ、と伝える。



IMG-5676.jpg


IMG-5674.jpg



もうだいぶ先を歩いている母上はご機嫌である。遠くで聞こえる音楽に軽くヘドバンしている。



IMG-5680.jpg



こういうの得意、とさっさと行く母上。


買い物袋でバランスを取りながらスカートだろうとさっさと行く。老婆心ならぬ老娘心で見守るも冒険心でワクワクしている母上には無駄なようである。



IMG-5682.jpg



向こう岸は散歩の小道のようになっていて色鮮やか。



IMG-5691.jpg




IMG-5688.jpg




IMG-5702.jpg



散歩にはちょうど良い距離である。


橋を渡って今度は駅に戻る道を散策する。



IMG-5661.jpg



味わい深い廃墟のような建物が多いが再利用する人も居るのがこの街のSDGs的な可能性である。


最後はちょっと気になったお堂に向かう。住宅地の路地を入るとかなりの急勾配な小道がいきなりやってきて母上も手摺を使いながら休み休みゆっくりと上ってきた。



IMG-5712.jpg



鬱蒼とした林の中にお堂がポツンとあった。あまりにも鬱蒼としているので虫に好かれる母上は少し手前で待つことに。しかしこのお堂の前に一人立ってみるとこの先に進むのにはちょっと勇気がいった。


脇に並ぶ羅漢像の存在感たるや。見られている、そう思うと背筋が伸びた。お堂の一番近くの2体は厳しい表情でまるで阿吽の像のように睨みを利かせている。そもそもこのお堂の説明がどこにも無いのだ。手を合わせてお邪魔しましたと早々に母上の所に戻ろうとすると母上は誰かと立ち話をしている様子。


私も途中から加わるとご近所のおばあ様で、ここには滅多に人が来ないから有難いと言っていただいてホッとする。この方の話によると元々は城跡で時代を経て寺小屋となっていた時代がありその寺小屋で学んだ最後の人を知っているとの事。急勾配を足取り軽く上がってきたと聞いていたがなんと92歳だそうな。何かの間違いでは、と母上が疑うほど見た目も話す様子も10歳以上若い。


お堂は後に日中戦争の時にここから出兵して亡くなった兵士を祀ったものという事で、成程道理で、と納得したのであった。実際はこのお堂の裏にある石碑が観光スポットとなっていたようだが完全に忘れてしまった。


良い出会いもあり、母上もご機嫌で、ちょっとした小旅行気分を味わえた。不要不急だよね、すまぬ。


感謝。

コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。