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タンタンとマグリットの国 [書を捨てよ世界に出よう・90年代バックパッカー編]

はい、大空さん茶会ですね。

緑Tシャツ着て遠い空から吠えてます。

犬に逃げられ、子供に怖がられ、親には動物園の檻の中のライオンのようだと言われておりますが、めげない、さびない、曲がらない・・・って万年物干しかっ。

さて、無駄に熱い人は放っておいて(お前だ)・・・旅の続きいきます。

NYのLa Guardia空港からWashington Dulles空港経由で最初に降りたった国。 それはベルギーである。母上のようにワッフルやチョコレートが食べたかったからとかいうような食にたいする熱い思いはない。それではなぜベルギーだったのか。 Tintinの生まれた国、そしてルネ・マグリットの国だから。

Tintinは「インディー・ジョーンズ」の元となったコミックとしても有名だ。どうやら今年ついにスピルバーグがTintinの映画を撮ることになったらしいが、新聞記者のTintinと愛犬Snowyが世界中を冒険するコミックは漫画族ではない私でも非常に楽しめる。親戚からTintin本をもらったのをきっかけに読み始めたのだが、歴史や文化の勉強にもなったりしてデザイン的にも洒落ているので嵌ってしまった。そんなわけで家中Tintinグッズだらけとなっている。

マグリットは昼と夜が共存している絵「光の帝国」や山高帽の男たちが空から降りてくる絵「ゴルコンダ」などで有名なシューレアリストだ。前からダリ、キリコなどと共に気になるアーティストで部屋にポスターを貼ったりもしていた。強烈なインパクトとアイロニーでインスピレーションを与えてくれるのだ。

メモによると早朝にベルギー着となっている。今とは違い、まだユーロではなかったので国境を越えると各国の通貨に替えなければならない。そして宿の確保をしなければならない。ユースホステルは当日足を運んで部屋を取るのが原則となっている。前もって予約をしておくとか悠長な事は言っていられないのだ。

しかもユースホステルというのはわかりづらい所にあるもので、電話で聞こうとトライするもフランス語で捲し立てられるとお手上げだ。どうやら間違ったところにかけてしまったらしい。電話は諦め“地球の歩き方”にある住所を頼りに道行く人に尋ねながらなんとか最初のユースに辿り着いた。チェックインさえできれば野宿の心配もなくなる。荷物を置いて早速町に出た。

ベルギーの首都ブリュッセルの市庁舎がある広場はギルドハウスが並んでいて古きヨーロッパといった風景である。石畳はヨーロッパならではだと思う。有名なジュリアン坊や(小便小僧)はかなり小さき物であった。まあよくある話だ。それよりも女の子版があるとは知らなかった。しかも素っ裸。・・・リアルでやばい。

目的の王立美術館へ向かう。ちょうど工事中で入口を探すのに戸惑ったが、中に入るとその広さに驚いた。フランスのルーブル美術館の分館として設立された歴史があるらしいのだが、さすがの展示数である。古典部門と別にマグリットなど現代部門の建物が別にあったように記憶しているが、とにかくどれも素晴らしい。 マグリットの作品を見るだけのつもりだったが、ヴァンダイク、ルーベンス、ブリューゲルなどなど美術に詳しくない私でもどこかで見たことのある絵で溢れている。しかも館内が貸切のように空いているから絵のある空間を独り占めできる。ダヴィッド作「マラーの死」の前では“家政婦は見た”状態でしばらく立ち尽くしてしまった。ほんの数時間ではあったが、フルコースの料理を食べ終えて満腹といった状態。予想外になんとも贅沢な時間を過ごしたのであった。

その後中央駅を挟んで王宮、サンミッシェル大聖堂など早足で観光スポットを押さえ一日目は終了。

翌日は中央駅に荷物を預けてブルージュに向かい、水の都と呼ばれる古都を観光船で巡った。メモには“テーマパークのような長崎の出島のような所”とある。建物の色彩、形などがまるでオモチャのようで人が暮らしているような生活感がない。ベルギーはフランス語とオランダ語を公用語としているが、ブルージュはブリュッセルに比べてオランダ語使用度が高かったような気がする。

滞在時間わずか2時間半。なぜこうも急ぎ足なのか、それは本日中にパリに入る予定だったからだ。ブルージュから鉄道で再びブリュッセル中央駅へ。荷物を取るとTGVのチケットを買いパリ行きの鉄道に乗る。

メモには詳細な鉄道時刻が記されている。前日にユースで綿密に計画を立てて臨んだことがわかる。バックパッカーの必需品は一にも二にもトーマスクックの時刻表である。これは母上の時代も同じ。

目的地に入る時間は次の滞在先にチェックインする時間を元に考えるので、鉄道の乗車時間もそこから逆算することになる。つまり、滞在時間は移動の繋ぎのようなもの。なんだかそう考えると面白味がないのだが、泊まる場所を確保することが最優先である以上いたしかたない。

と、パリ行きの鉄道に乗ってから思い出した。あっ!Tintinのところ(漫画博物館)に行くの忘れた。 前日のメモに“この計画(鉄道の旅)は絶対だ。”とある。移動することに夢中になりすぎて肝心なところを忘れたようだ。空しい。

空しいままパリへ。続く。


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