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山を越える力 [生きる力]

一年前にバタバタと国を出てから思うこと。

いろいろと制度というか母子家庭に親切かというと微妙ですな。公的な手続きをしてみると良くわかる。基本的に自力で何とかするぐらいの気持ちでいるので国に助けてもらおうとか期待することは何も無いが、大好きな日本なだけに寂しいことだ。

離婚をして子供の親権が確定しても、子供の氏変更手続きなどは地元の家庭裁判所まで行って書類手続きをしないと変更されないわけで面倒なシステムだ。健康保険にしても「前の旦那さんに連絡して保険離脱証明書を書いて出してもらってください。」とか言われてしまう。「あのーDVで逃げているので、連絡とれないんですけど。」みたいな。 

DVということで、例えば住民票や移転の情報を公開しないなどの支援措置は一年間有効だった。延期の手続きをしなければ支援終了となる。つまりこの制度を利用する母子にとっては最初の一年が勝負ということだ。どこか遠くに逃げるようにと言われて海外まで行って再スタートを切った自分のようなのもいるが、大抵の場合は子供を連れて住居や仕事を探しながら(逃げている場合は慣れない土地で)必死の一年を送るものと思われる。確かに支援延期の手続きをすれば良いことなのだろうが、周囲の理解と応援がなければなかなか大変だと思う。

このような状況でなにより子供の精神面のケアに関してはおざなりになる可能性が高い。だいたいお母さん自身が必死で子供はそれを見ながら着いていくしかないのである。モザイクの国でもDVから“生き延びた”(この言い方が主流)母子はなるべく遠くに逃げるようにアドバイスされる。州をまたいで逃げてきて慣れない土地でモーテルなどに居住しながら仕事を探し、子供の学校を探す。そんなお母さんたちが沢山いる。大変なようだが、少なくとも一歩を踏み出すことができたお母さんたちはエネルギーに満ち溢れている。

モザイクの国では子供の精神面のケアに関しては年齢別、そして状況別に分けて世話をするシステムが確立している。どのような状況であっても子供が最優先になる。場合によっては親元から引き離してでも子供の安全を優先させる。自分が知らないだけで日本にも支援機関はあるのだろうが、数は限られると思う。それにお役所の仕事を見る限り自分はそこまで辿りつける自信はない。結局は情報力と親戚や友人の協力態勢が物を言う。自力で生きていくしかないのだ。でもそんなお母さんたちには頑張って山を越えてもらいたい。自力で越えた先にあるものは自信であり、感謝の気持ちであるはずだから。それに一生懸命に生きる姿を見れば子供たちも応援してくれるだろう。お母さんが太陽であれば子供も大丈夫だから。

・・・と、ヅカってるわりに偉そうに自分の一年を振り返ってみた。

 


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